地方の大学は定員割れが続くところが多く、生き残りに必死です。徐々に大学が「学問を追究する場所」ではなく「実学の場」になりつつありますが、それも時代の変化として致し方ないことなのかも知れません。今や、大学と聞いて一般的に思い浮かべる雰囲気と内容は有名大学のみになり、中堅大学以下は「行って何になるのか?」という「結果」を求められるようになりました。厳しい時代です。大学の門さえくぐってくればそれでいいという時代ではなくなりつつあります。

さて、その中で、英語力で生き残りをかける大学も多く見られています。残念ながら学歴自体が看板となり、武器となるわけではない「地方大学」の出身者は、実際に何が出来るかを企業から問われることが多いのでしょう。そこで、英語を駆使することが出来るというのは大きな武器になるというわけです。

もちろん、英語で何を話すかという部分がかなり大きいため、単に英語だけが話せてもダメなのは当たり前の話ですが、それでも「英語が話せない」というほうがマイナス要素として大きい昨今、地方大学が英語力を鍛える試みをしているのは、実に前向きかつ次の時代を見据えた行動だと思います。

これからは、英語が出来ると「スゴいね!」という時代ではなく、英語が話せて当たり前の世界。
幼い頃からの英語環境がとても重要なのでしょうね。
ただ、残念ながら外国語教室へ行き、外人の先生とお話しするような学習では残念ながら英語力が伸びるとは考えにくいものです。会話には慣れるかも知れませんが…

ちゃんとシステマチックに英語自体を「勉強する」ということが重要だと思います。
それにはLeptonの学習プログラムは最適だと言えるでしょう!


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英語力 地方大が育む  日本語禁止のカフェ ネット会話で猛特訓 

2014年8月18日 日本経済新聞 朝刊

 学生が英語に親しむ環境をつくったり、英語教育を厳しくしたりする地方の大学が増えている。学生の英語能力を底上げし、企業や社会の求める人材に育てるためだ。最近の英語教育の事情をキャンパスを訪れて、探ってみた。

 「どこから来たの?」「米国だよ。高松のうどん、おいしいよね」――。香川大学(高松市)は6月、日本人学生や留学生が自由に集まり交流を深めることのできる専用スペース「イングリッシュカフェ」を開設した。この部屋では日本語の使用は禁止。全ての会話は英語をはじめ外国語で交わされる。軽食を楽しみながら、学生たちは異文化との交流を楽しむ。

 カフェは約20席を備えるが昼食時には50人超の学生が訪れ、身ぶり手ぶりを交えながら会話に花を咲かせている。法学部2年の月原加代子さんは「自分の英語が伝わるとうれしく、自信がつく」と手応えを感じている。カフェでの経験を踏まえ、この夏には英国に短期留学する予定だ。

 敬愛大学(千葉市)は4月、メディアセンターにオンライン英会話のブースを開設した。ブースは10室あり、ヘッドマイクを装着した学生がインターネット電話の「スカイプ」を利用してフィリピン大学の学生らと英会話を楽しむ。

■1ヵ月30回まで

 レッスンは1回25分で1カ月に30回まで受講できる。料金は7千円だが、45日以内に30回受講すると2千円を大学が払い戻す。学生の負担を軽減するとともに継続して取り組んでもらう狙いだ。

 開設からこれまでに受講した学生は延べ50人。国際学部4年で中学校の英語教諭を目指す太田実那さんは4月から受講したところ、TOEIC(英語能力テスト)のスコアが受講前の675から750に上がった。

 大学3年までは独学で英会話を勉強してきたが、700の壁はなかなか越えられなかった。「オンライン英会話を通じてリスニング力を鍛えられた」(太田さん)

 敬愛大はオンライン英会話を希望者を対象に実施している。2015年度からは英語の授業に組み込み、「単位取得の条件にするなど、なるべく義務付けたい」(三幣利夫学長)。

 近畿大学(大阪府東大阪市)はさらに踏み込む。2016年4月に開設予定の外国語・国際系学部で、語学学校のベルリッツコーポレーションに協力を求める。「従来の語学の延長上の発想でつくってもダメ」。増田大三副学長は理由を話す。これまでの語学教育では社会の求めるグローバルな人材をきちんと育てられないという判断だ。


 新学部の教育課程はまず1年生の前半にベルリッツからネーティブ(外国人)の講師を派遣してもらい1クラス15人以下で英語を集中して学ぶ。1年生後半から2年生前半までは留学。帰国後に教養や経済など専門の学習に移る。半分は英語での授業で、3年生で海外のインターンシップ(就業体験)も実施する。

 留学期間を1~2年生と他大学より早めるのは、英語の力を身につけてから英語の授業をやる方が効率的とみたため。帰国後の授業では、実社会で必要との考えからベルリッツの力を借り、「ディベート(討論)とネゴシエーション(交渉)ができる国際教養人」(増田氏)になるための科目の採用も検討する。

■英語授業が8割

 龍谷大学(京都市)は15年4月に国際学部グローバルスタディーズ学科を新設する。売り物は卒業時の英語力を保証することだ。TOEICのスコアを730点以上取ることを卒業の必須要件とし、入学から卒業まで専任教員がサポートする。海外長期留学も全員必修とし、留学先の学費や寮費は龍谷大が負担する。

 1年次から15人以下の少人数クラスで、英語の授業を週8回以上開き、専門科目を留学先で学ぶために必要な英語力を身につけさせる。2年次以降は英語で議論できるように科目の8割を英語だけか、または英語と日本語の併用で開講する。